ドラマティック・ポエム

あなたの心の片隅に置く一冊にならんことを祈って。

2018-12-01から1ヶ月間の記事一覧

フラメンコ

若い時は何時でもフラメンコ踊っていた行く先々で女達が歓迎してくれたギターも何もなくても俺が踊れば その体から音が流れ出た人が居ようと居まいと 何時でも踊っていた身体中の汗と情熱でもしお前が先に死んだら最後の住所を誰かに伝えてくれきっと仲間を…

ゆううつな時

アインシュタインにもなれないし月にも太陽にもなれないし過去を振り返れば 恥ずかしい事ばっかりで未来なんかも見えないし頭の中にはコンピューターのチップが 一枚もないし一瞬のヒラメキさえ持っていないし自分の手で一個づつ 文字を書くしかないしアイン…

アンティークな男の詩

占領下の時代に生まれて昭和という時代の真中でひとり立ち止まって了った男にはパイプの煙とブランデーメリーゴーランドの木馬に跨って古き時代の風景の中を回り続ける行くあてのない男にはネッカチーフとベレー帽通り過ぎる走馬灯の人影に大声で叫んでいる…

一週間の形而上学

色とりどりの積み木を使って楽しそーに家を建てていた僕は幼い子供みたいにせっかく出来かけた家を壊して了ったのです僕は無邪気な天使みたいに窓の隙間をするりと抜けて若葉の匂いの混ざった外の空気を胸いっぱいに吸い込んでいると何時の間にかネコの姿に…