ドラマティック・ポエム

あなたの心の片隅に置く一冊にならんことを祈って。

アンティークな男の詩

占領下の時代に生まれて

昭和という時代の真中で

ひとり立ち止まって了った男には

パイプの煙とブランデー


メリーゴーランドの木馬に跨って

古き時代の風景の中を回り続ける

行くあてのない男には

ネッカチーフとベレー帽


通り過ぎる走馬灯の人影に

大声で叫んでいるのは誰

そんな愛に見放された男には

過ぎ去った時のかけらとブリキの涙


明日を持たない男達は

麦畑を流れる微風みたいに

生きたかったんだな


だけど  アンティークな男は

俺じゃない‼︎