2018-08-12 ヘビ 隣の草むらにはヘビが棲んでいるそのヘビは時折見かける人間の背中に僧悪の眼をむける カマ首をもたげ真っ赤な眼を見開いてむなしい叫びをあげながら月に向かって激しいダンスのステップを踏む街なかに棲むヘビは草原で野ネズミを追った記憶が満月の夜に疼き出す隣の草むらに棲むヘビは時折塀を乗り越えて出かけて行くいったい何処へ行くのだろうかある日のこと 数軒先のアパートの庭にそのヘビがころげ落ちるのを見た真夏の暑いアスファルトの上で悶えながらのたうちまわっていたそしてその姿はやがて 自分の最後の姿と重なる