ドラマティック・ポエム

あなたの心の片隅に置く一冊にならんことを祈って。

墓守人

真夏のあつい夜

荒野を下ったフクロウが

寺の境内にやって来た

360度 首を廻らせて

どこの国にもありがちな

迷信という木に止まった

群れなす墓を守ろうと


真夏のあつい夜

寺も墓もぐっすりと

眠りについていた

今朝のそーぎに供えられた

一弁酒飲みほして


真夏のあつい夜

夜のしじまのその中で

もんぜんにたたずむ白い軽トラックが

月明かりに照らされて

自分の出番を待っている


明日は住職の好きな

盆栽市がある