ドラマティック・ポエム

あなたの心の片隅に置く一冊にならんことを祈って。

冷たい空気さん

ベッド下の隙間に手を伸ばしたら

手マリぐらいの大きさの

冷たい空気さんがいました


冷たい空気さんは照れ屋な僕みたいに

すぐに姿を隠したがる

なんだか温もりがあって

フワッとしていて 生きものみたいです


あんたはうちの家具の隙間に

棲んでいる 家具の精かしら

きのうはタンスの引き出し

開けた所にいましたネ


冷たい空気さんはシャボン玉のように

すぐに消えてなくなるが

時折ぼくの手にすいついてきて

決して触られるのを嫌がってはいない


夜  寝ていると

ぼくの首にじゃれついてくるの

それはちょいと恐いのです