冷たい空気さん
ベッド下の隙間に手を伸ばしたら
手マリぐらいの大きさの
冷たい空気さんがいました
冷たい空気さんは照れ屋な僕みたいに
すぐに姿を隠したがる
なんだか温もりがあって
フワッとしていて 生きものみたいです
あんたはうちの家具の隙間に
棲んでいる 家具の精かしら
きのうはタンスの引き出し
開けた所にいましたネ
冷たい空気さんはシャボン玉のように
すぐに消えてなくなるが
時折ぼくの手にすいついてきて
決して触られるのを嫌がってはいない
夜 寝ていると
ぼくの首にじゃれついてくるの
それはちょいと恐いのです