ドラマティック・ポエム

あなたの心の片隅に置く一冊にならんことを祈って。

かーちゃんと酔っぱらい

いつものー天気なかーちゃんの目が泳いだ

その酔っぱらいの話に

一生懸命に相槌を打ちながら

かーちゃんは僕を取りもどす

チャンスをねらっていた


僕は道端で酔っぱらいのおじさんに捕まった

僕の腕をつかんで離さないおじさんは

訳の解らない事をわめき散らしている

めったに動揺しないかーちゃんが

この時ばかりはあせっていた


半時刻程くだをまいた酔っぱらいは

ようやっと僕を解放して去っていった

何処の誰だか知らないおじさんだった

かーちゃんも僕も冷や汗をかいた

夕方のことでした