ドラマティック・ポエム

あなたの心の片隅に置く一冊にならんことを祈って。

デカショーおじさん Ⅱ

シベリア帰りのデカショー伯父さんは

ハルさんと一緒になってから

    少し落ち着いた

電気屋さんの商売も始めた

時々僕を映画館に連れて行くようにもなった

土曜の夜に三人で連れ立って

    東映の映画館に行った


だけどシベリア帰りのデカショー伯父さんは

    時々荒れる

晩酌でちょっと飲み過ぎると

    ハルさんキスしてくれよーって    駄々をこねた

うちの家族は皆困った


そんな暮らしがしばらく続いたが

デカショー伯父さんはハルさんを置いて

パーマネント屋のおねーちゃんの所へ

    行って了った

それがシベリア帰りの

    デカショー伯父さんだ