プール
プールに石を投げ込んで遊んでいた
今度はあの大っきな石を投げ込んでみたくなった
両手で胸に抱える程の大っきな石を
よいしょって投げ込んだ
その大っきな石は ブクブク ブクブクって
大きな泡を立てながら
ゆっくりと水中に沈んでいった
その石は何時までもブクブクともがいていた
アレッ‼︎
うす暗い水中でブクブクしているのは
どうやら自分のようだと気がついた
通りすがりのレインコートのおじさんが
釣り人が大きな魚を誇らしげにぶら下げるように
オレの首根っ子をぶら下げた後
プールサイドに転がして去っていった
オレはずぶ濡れの服から雫をたらして
大泣きしながら家に帰った
あのおじさんが通らんかったら
オレ溺れて死んでたなあ
母ちゃん かあちゃーん