ドラマティック・ポエム

あなたの心の片隅に置く一冊にならんことを祈って。

惑星、パッカー車

町中にゴミがあふれている

パッカー車は毎日気が狂う程走りまわる

スピーカーでも自転車でも何でもかんでも

ガリガリ  ガリガリとかみくだいて

飲み込んでゆく

町にはあまりにもゴミが多過ぎて

パッカー車の胃袋にはブラックホール

ガン細胞のように増殖して

巨大になったパッカー車は

富士山やエベレストまで飲み込んで

やがて地球まで飲み込んでしまったパッカー車は

惑星パッカー車となって

太陽のまわりを回り始めた


地球の全部を飲みほしても

パッカー車の心は光のささないブラックホール

あの銀色に輝く天の川のほとりにたどり着くまで

その力強い走りを止めることはない