ドラマティック・ポエム

あなたの心の片隅に置く一冊にならんことを祈って。

2018-08-16から1日間の記事一覧

月曜の朝

車のタイヤが相変わらず砂利を蹴って地面と喧嘩しながら走り出す月曜の朝後の車がピッタリとくっついて走るうざい奴僕はおもむろにタバコをくわえ火をつけるお気に入りのカンコーヒーを片手にわざとのんびり走るとめどなくやって来る一週間という新しい波の…

惑星、パッカー車

町中にゴミがあふれているパッカー車は毎日気が狂う程走りまわるスピーカーでも自転車でも何でもかんでもガリガリ ガリガリとかみくだいて飲み込んでゆく町にはあまりにもゴミが多過ぎてパッカー車の胃袋にはブラックホールがガン細胞のように増殖して巨大に…

プール

プールに石を投げ込んで遊んでいた今度はあの大っきな石を投げ込んでみたくなった両手で胸に抱える程の大っきな石をよいしょって投げ込んだその大っきな石は ブクブク ブクブクって大きな泡を立てながらゆっくりと水中に沈んでいったその石は何時までもブク…

スナック

夕もやの流れる頃 17号線ぞいの寂れた路地を入ると 古びたネオンが灯るスナックがある その店の扉を開くとカウンターの中では ロングドレスの似合うクラブあがりのママがニンマリと笑う 実は彼女は僕の愛人なんです もう一人の若いヘルプの秋ちゃんは僕のこ…

通せんぼ

あなたが帰るその道のひとり咲いてるスミレ草風もないのに震えているあなたのゆく道 帰り道両手広げて通せんぼきっとあなたを通せんぼあなたが帰る路地裏で小さな両手で通せんぼあなたの背中のランドセル怒った顔で振り向いたひとりとぼとぼ帰る道空に描いた…

砂時計の都市

屈たくのない営みを続けてきた都市平和な日々と繁栄を誇った都市家族の愛とやさしさを育んだ都市が砂時計の砂のように少しずつ崩れて砂丘に開いた小さな穴から渦を巻きながら落ちてゆく都市を彩ったビルも道路も橋も川もネオンも看板もそれらが少しずつ砂つ…